研究課題/領域番号 |
17K05388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新永 浩子 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (20709589)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 星間物理 / 星周物理 / 星の進化 / 星形成 / 晩期型星 / メーザー現象 / 質量放出 |
研究成果の概要 |
星形成領域と晩期型星の星周領域において、磁場が果たしている役割について研究した。星形成領域の例として孤立した高密度分子雲コアについて、ミリ波・サブミリ波(直線)偏波を観測した結果、星形成過程で磁力線は重力収縮によって中心領域に巻き込まれ、原始星の成長に重要な役割を果たしていることを明らかにした。大質量星の進化末期である赤色超巨星(25太陽質量)の星周領域(星半径の80倍以内)を調べ、非常に強い磁場(>100G)を検出した。理論的予想を覆し、晩期型星の磁気活動が活発であることを突き止めた。通常は熱的励起輝線であるSiO v=0の回転遷移がメーザーを起こしているなど、磁場の影響は甚大である。
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自由記述の分野 |
星の形成と進化
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高密度分子雲コアの大局的磁場の方向が、原始星を含むコア領域で垂直に折れ曲がり、巻き込まれている最初の例となった。この結果を理論研究と比較し、磁場は原始星の誕生に重要な役割を果たしていることを示した。本成果の記者会見では多くのマスコミにより取り上げられ、星の誕生に磁場が重要であることを社会に広く認識していただく機会となった。赤色超巨星の星周領域での非常に強い磁場強度の発見については、理論的な観点から検証される必要がある。今後は、強い磁場が星間・星周物理過程に与える影響について、具体的な観測例を増やし、強い磁場強度を持つ赤色超巨星は一般的なのか、特殊な例であるのかを見極めていく。
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