研究課題
本研究は、補償光学面分光装置を用いて観測したデータを用いて、銀河中心部巨大ブラックホール周辺のガスの運動、特に高速のガス噴出流を計測し、銀河の形成史に果たしたブラックホールの役割を解明する計画である。新型コロナウィルス(covid19)蔓延が依然として流動的であり校務の激化などにより当初の進展計画からはずれ込んでいるものの、以下の事が明らかになってきた。波長ごとの画像を繋げて動画表示することで、母銀河の形状と速度構造、および補償光学付面分光データの威力の大きさが明瞭に確認できた。また、銀河中心の巨大ブラックホール付近でのガス噴出を様々な手法で探査した結果、非点対称の高速ガス噴出の兆候を発見した。検出の真偽を検証する精査と噴出速度やガスの形状の計測急ぎ進めている。レーザートモグラフィー補償光学が良く働き、像サイズ(Point-Spread-Functionサイズ)が小さい(半値幅0.1-0.2秒角)こととその像サイズの波長依存性が大きいことを明らかにした。また、中心から周辺ピクセルへの光の漏れ込み量が点対称ではなく、かつその異方性も波長依存性が大きいこともわかった。科学目的の解析と併せて、レーザートモグラフィー補償光学の実際の振る舞いを装置開発チームへ報告する事を目指して情報を集約中である。本計画での計測をもとに、銀河中心部のガス噴出流を高精度分光する観測提案をすばる望遠鏡へ提出し、Rank-Aで採択されている。2022年1月に観測が行われ、データ解析に取り組み始めている。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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