研究課題
全天のX線監視装置「MAXI」を用いて、発生頻度が低く、太陽フレアの最大規模に比べ6桁大きいものまでを含むスーパーフレアを探査し、その検出後すぐに、中央大学6号館屋上に設置された Spectroscopic Chuo-university Astronomical Telescope (SCAT) を用いて、追観測を行った。これにより、フレア中の放射エネルギー、および光度の減衰のタイムスケールに関して、それぞれ9桁、および3桁にまたがる両帯域間での比例関係を得た。これらは、巨大な磁場構造から発生する巨大フレアも、小規模な太陽フレアと本質的には同じ可能性の示唆である。その成果は「Kawai et al. 2022 PASJ」として出版された。MAXI (2-20 keV)、NICER (0.2-12 keV)、茨城-山口電波干渉計 (6.7 GHz, 8.3 GHz)、CAT (V-band)で、RS CVn 型星 UX Ariをターゲットとし、約2ヶ月間のモニター観測を行い、2つの巨大フレアを検出した。第一電離ポテンシャル(FIP)の低い鉄が、FIPの高い酸素に比べ高度の高い位置にあることを、電波のライトカーブとの相関から得た(北古賀ら日本天文学会2022年春季年会口頭発表)。Si結晶を曲げて作成したブラッグ反射型X線偏光計の、8.05 keV での分光性能の評価を行なった。その結果、Cu-Kα1 と Kα2(19 eV 差) を分離して検出することに成功し、エネルギー分解能は E/E = 7.2/|d| % @ 8.05 keV を得た。また、CubeSat 搭載を目標に、1U(10 cm 四方) サイズに反射鏡を設計した場合の最小偏光感度の見積もりを行った。これらを「井上ら日本天文学会2022年春季年会口頭およびポスター発表」として報告を行った。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (4件)
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 74 ページ: 477~487
10.1093/pasj/psac008
Journal of Astronomical Telescopes, Instruments, and Systems
巻: 7 ページ: -
10.1117/1.JATIS.7.3.037001