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2020 年度 実績報告書

純圧電材可変形鏡によるTMT時代における宇宙進化の統計的解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K05396
研究機関国立天文台

研究代表者

大屋 真  国立天文台, ハワイ観測所, 特任准教授 (80399287)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード光学赤外線天文学 / 補償光学 / 可変形鏡
研究実績の概要

宇宙進化の歴史解明のために高赤方偏移天体のつぶさな観測を高効率で行うためには(1)多天体同時観測による観測効率の向上、(2)補償光学装置による空間分解能の向上、(3)装置全体を冷却することによる熱背景雑音の低減、が有効な手段である。そこで本研究では、補償光学装置の重要構成部品である可変形鏡に着目し、簡素な構造で量産が容易且つ冷却による熱変形の影響を受けにくい純圧電材モノモルフ式可変形鏡を新たに開発した。
設計値は解析的検討を基に有限要素法で確認して決定した。試作品の変形量は設計通りであることを干渉計測定で確認した。面粗さはRa4nmで実用レベルに達した。ただ常温保管後に接合剥離起因と考えられる局所的に非常に大きな歪みが発生するという不具合があった。そこで冷却に耐える接着剤を選定し、接着した試作品も製作した。さらに冷却下での鏡面変形を恒温槽中で評価する実験を行った。当初使用予定であった市販波面センサが-10℃で故障したため波面センサ光学系を外付けし恒温槽の窓を通して観察する手法に切り替えた。窓の変形も重なるため可変形鏡と参照面を回転ステージで切り替えて測定することとした。参照面として可変形鏡と同サイズのセラミック板、可変形鏡を模してセラミック板を金属接合したものと接着剤接合したサンプルを用意した。
この様な準備を整えて令和2年度は遅れていた冷却試験を行うために延長を申請したが、実験設備が研究協力者所属機関にあっため新型コロナウィルス感染症にともなう行動制限の影響で実施できなかった。そこでこれまでの研究成果のまとめを行い、自所属機関でも基礎的実験を行うための環境整備に努めた。
今後も実験的研究を継続発展させるつもりである。特にヒステリシスを考慮した制御方法の検討を進めたい。また移動が自由になれば冷却実験を再開するよう努める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 純圧電材可変形鏡の開発2020

    • 著者名/発表者名
      大屋 真(国立天文台)、樽田 順、坂部健太、池田優二(京都産業大学)、馬目威男、堀内雅彦、柳橋 健太郎、向井伸二(京セラ株式会社)、渡邉 誠(岡山理科大学)、秋山正幸(東北大学)
    • 学会等名
      日本天文学会

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公開日: 2021-12-27  

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