ミリ波をつかった太陽電波観測では、太陽大気の彩層と呼ばれる大気層の物理状態を知ることができるだけでなく、太陽フレアにおける高エネルギー電子の様子も明らかにできる。しかし、秒角レベルの空間分解能を持ったミリ波観測は、その実現の困難によりこれまで行われていなかった。 本研究では、天文観測用としては世界最大のミリ波・サブミリ波電波干渉計であるアタカマ大型ミリ波・サブミリ波干渉計(ALMA)を用いた太陽観測手法の開発を行った。さらにこの観測手法を用いて、高空間分解能ミリ波観測による小規模フレアにおける温度・密度診断、さらに彩層におけるジェット現象であるスピキュールの物理量診断を世界で初めて成功させた。
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