研究課題
本研究の足がかりとなる国際競争率の激しいアルマ望遠鏡の観測提案が採択され観測が実施された。そして、平成29年度に遅れながらも分割してデータが届きその解析を進めてきた。その結果、平成30年度にデータ解析の約80%が終了し、観測結果をまとめた内容でアストロフィジカル・ジャーナル誌に5件、アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ誌に1件、アストロノミカル・ジャーナル誌に1件の計7件の学術論文を出版した。さらに、アストロフィジカル・ジャーナル誌に1件、アストロノミカル・ジャーナル誌に1件の計2件の論文が受理されている。また、国際研究会招待講演1件、招待講師として天文若手の会で本研究および関連研究のレビュー1件、国内外の学会で4件の発表を行っている。当初の平成30年度の計画では、主に観測データの解析および観測結果の再現シミュレーションを予定していたが、解析環境の構築や共同研究の体制を整え再現シミュレーションコードの開発をしていたため、前倒しで論文化を進めることができた。平成31年度は、国際学会での成果発表を行うとともに、残りのデータ解析を進め論文化を進めていく予定である。さらに、当初の計画を上回る観測成果が得られているが、本成果を基にして平成31年度のアルマの追加観測の提案を準備し、アストロバイオロジー分野の専門家と協力しながら生命と地球型惑星の起源につながるデータの蓄積およびシミュレーションによる裏付けを実施し、論文化を進めていく。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の平成30年度の計画では、主に観測データの解析および観測結果の再現シミュレーションを予定していたが、解析環境の構築や共同研究の体制を準備することができたため前倒しで論文化を進めることができた。データ解析の進捗が当初の予定の約80%ではあるものの、7件の論文出版および2件の論文受理はデータ解析の遅れを上回る進捗と考える。よって、「当初の計画以上に進展している」と評価した。なお、昨年度の実施状況報告書で報告した通り、観測所側の都合でアルマの観測が遅れており、観測中止の懸念もあった。結果的には、ほぼ予定していた観測が行われたが、アルマ観測所からデータを受け取る時期が大幅に遅れた。データ解析の遅れには他にも原因があり改善の余地があるが、データ配信の大幅な遅延がデータ解析の遅れの主な原因となっている。
今後、国際学会においてこれまでの成果を発表を行うとともに、残りのデータ解析を進め論文化を進めていく予定である。さらに、当初の計画を上回る観測成果が得られているが、本成果を基にして平成31年度のアルマの追加観測の提案を準備し、データを追加することで観測的制限を強固にしていく計画である。一方、水輝線の観測において、観測所側の都合により当初の受理されていた観測の20%に留まった。そのため、急遽平成31年4月に再観測のための提案書を提出し、残りの分の観測データを補えるよう計画の修正を図った。今後の観測状況を見ながら、惑星形成やアストロバイオロジー分野の専門家と協力して、生命と地球型惑星の起源につながるデータの蓄積およびシミュレーションによる裏付けを実施し論文化を進めていく。
招待講演者として国際研究会に参加したため、参加費などの免除を一部受けることができた。そのため、約11万円の次年度使用額が生じた。本年度は、当初の予定よりも早く論文化が進んでおり、平成31年度には2つの国際学会にて成果報告をする予定である。本予算はそれらの旅費に充てる予定である。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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