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2017 年度 実施状況報告書

QCDの極限環境におけるアンダーソン局在と量子準位統計の探求

研究課題

研究課題/領域番号 17K05416
研究機関島根大学

研究代表者

望月 真祐  島根大学, 総合理工学研究科, 准教授 (00362913)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード格子ゲージ理論 / 有限温度 / ランダム行列理論 / カイラル対称性 / アンダーソン局在
研究実績の概要

私は山本託也氏(大学院D3)と共同して、格子2色QCD+QEDの 極めて広いパラメータ領域(SU(2)ゲージ結合定数:β=0, 0.25, 0.5, 1.0, 1.25, 1.5, 1.75, 2.0, 2.1, U(1)ゲージ結合定数: e=2, 3, 4, 5, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 20, 24, 28 *10^-4, Aharonov-Bohm flux: φ=1, 1.5, 2, 2.5, 3, 3.5, 4, 4.5. 5, 6 *10^{-2}, 格子サイズ: V=4^4, 6^4)について数値シミュレーション(各パラメータ設定について1~4*10^4個の配位を生成)の実行とディラック演算子の厳密 対角化を完了した。ここで得られた膨大なデータからディラック個別準位統計を導出し、これが先にNishigaki-Yamamoto, PoS LATTICE 214, 067 (2014)で発表 した、遷移ランダム行列模型に基づく解析式によって完全にフィットできることを見出した。この手法により、2色QCD+QEDの広いパラメータ領域において、その 有効理論に含まれる2つの低エネルギー定数(カイラル凝縮Σおよび崩壊定数F)をそれぞれ10^{-4}, 10^{-3}の精度で詳細決定することに成功した。この成果 は、2色QCDをテクニカラー模型の候補として考える場合に、複合Higgs粒子の現象論的パラメータの決定への応用などが期待される。私たちはこの成果を Yamamoto-Nishigaki, Prog. Theor. Exp. Phys. 2018, 023B01 (2018)にて出版するとともに、私を含む日韓の主催者が韓国ACTCPにおいて主催した国際会議にお いて私が登壇発表した。この出版および国際会議発表により、本計画の当初の目的を達成することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記載の通り、順調に進行している。

今後の研究の推進方策

昨年度を引き継ぎ、提出した研究計画に従って進める。

次年度使用額が生じた理由

当初購入を予定していたタワー型サーバ2台分と同等の性能を持ち、より安価で使い勝手が良いiMacProが発売されたため、これを購入したことにより残額が生じた。残額は今後、メモリアップグレードやGPGPUカードの購入に使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] Individual eigenvalue distributions of crossover chiral random matrices and low-energy constants of SU(2)×U(1) lattice gauge theory2018

    • 著者名/発表者名
      Takuya Yamamoto, Shinsuke M. Nishigaki
    • 雑誌名

      Prog. Theor. Exp. Phys.

      巻: 2018 ページ: 023B01-1--26

    • DOI

      https://doi.org/10.1093/ptep/ptx188

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 2次元IIA型超弦理論における多点関数と超対称行列模型との対応2018

    • 著者名/発表者名
      時本晋吉, 西垣真祐
    • 学会等名
      日本物理学会第73回年次大会
  • [学会発表] Multiple level spacing distributions at the mobility edge of QCD Dirac spectrum2017

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Nishigaki
    • 学会等名
      Discrete Approaches to the Dynamics of Fields and Space-Time
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 遷移ランダム行列によるパイ中間子崩壊定数の決定 ~ゲージ理論と量子カオスのインタープレイ~

    • URL

      http://www.phys.shimane-u.ac.jp/research/research_mochizuki.html

  • [学会・シンポジウム開催] Discrete Approaches to the Dynamics of Fields and Space-Time2017

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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