研究実績の概要 |
ヒッグス粒子が標準模型(SM)で仮定されているような素な粒子であるのか、それとも、π中間子のように複合粒子であるのかは、依然として未解決の重要問題である。一般に、複合ヒッグス模型が正しければ、弱ボソンとの結合やトップクォークとの湯川結合に SM の値からのずれが生じる。 初年度は、そのトップクォークとの湯川結合について、ベクターライク・フェルミオン模型を用いて、on-shell でのトップ湯川結合が SM の値よりも大きくなる可能性について研究を行い、その研究結果を論文にまとめることができた。 次年度も引き続き、その方向で研究を進めた。「質量階層性に対する新しい原理が導く多彩な物理現象とプランクスケールの物理」(2018/9/18-19,信州大学,松本市)において、「素粒子物理学の現状認識:LHC・フレーバ物理・陽子崩壊」というタイトルで研究発表を行っている。 最終年度では、これまでの研究成果を論文にまとめるべく、研究を進めてきた。3月に共同研究者のいるフランス・リヨン大学に行って議論を行う予定であったが、新型コロナの影響により、フランス行きは取りやめとなり、そのまま研究は滞ってしまっている。早急に研究を再開し、研究成果をまとめる予定である。国際会議「Composite Higgs, Dark Matter, Neutrinos and Related Topics」(2019/11/21-24, Guangzhou, China)と国際会議「KEK Theory Meeting on Particle Physics Phenomenology (KEK-PH2020)」(2020/2/18-21, KEK, Tsukuba, Japan) において、「Fundamental Composite Higgs and Phase Structure」について口頭発表を行った。
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