研究課題
本研究課題で開発を進めた統合解析ツールHEPfitを用いて、以下に挙げる研究成果を得た。(1) B中間子がD(*)中間子と軽い中間子に二体崩壊する過程において、素粒子標準模型における理論計算と実験値の間に不一致があることが報告されている。本研究ではこの不一致が終状態の粒子の擬弾性散乱によって説明可能かどうかを調べた。その結果、理論計算に擬弾性散乱の寄与を含めても実験値を説明できないことを示した。また標準模型を超える新物理の可能性についても検討した。そしてそれらの研究成果を論文としてまとめて発表した。(2) 素粒子標準模型の範囲内で電弱精密測定に関する様々な物理量をベイズ統計を用いて包括的に解析した。解析には理論・実験両面の最近の発展を取り入れ、従来の同様の解析の結果をアップデートした。そして研究成果を論文にまとめて発表した。(3) 前年度までに引き続き、45次元表現スカラー粒子を含むSU(5)大統一模型の現象論研究を更に進めた。特に、様々な観測量について1ループ補正を含めた解析を行い、タウ粒子崩壊、Zボソン崩壊などについての予言を得た。研究成果をまとめた論文を現在執筆中である。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Journal of High Energy Physics
巻: 2022-01 ページ: 147 [28 pages]
10.1007/JHEP01(2022)147
Accepted in Physical Review D
巻: - ページ: - [24 pages]