研究課題/領域番号 |
17K05439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
高橋 真聡 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30242895)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ブラックホール / 宇宙ジェット / 磁気流体力学 / 一般相対論 / 磁気圏 / 活動銀河核 / プラズマ加速 |
研究成果の概要 |
活動銀河中心核からほぼ光速で噴出する宇宙ジェットの加速機構について、中心核に位置する巨大ブラックホール周りの磁気圏形状と遷磁気音速磁気流体プラズマ流の定常解を解析した。この定常解を「M87銀河宇宙ジェット」の観測データに適用することで、加速領域がアルフェン点から速い磁気音速点を跨ぐ領域にあり、プラズマ源はブラックホール半径の100倍付近であることを示した。また、宇宙ジェットは1年間に20-50回程で自転すること、ジェット1粒子あたりのエネルギーは静止質量の10倍程だが回転エネルギーはその0.9倍であること、ジェットのエネルギー源はブラックホールの回転エネルギーで説明可能であることを示した。
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自由記述の分野 |
理論宇宙物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブラックホールがこの宇宙に実在することの直接観測的証拠を得るため、ブラックホール近傍プラズマの直接的撮像や輝線スペクトル観測、およびブラックホールから磁力線を開始て遠方に伸びる宇宙ジェットの形状・速度場の観測が試みられている。本研究では、これらの観測を踏まえた理論的研究を進めており、観測データを解釈し、その指し示すブラックホールの本質に迫ろうとしている。このことは、天体物理学・重力理論・プラズマ物理学の学際的融合により可能となるが、他分野への波及効果も大きい。ブラックホールの曲がった時空の科学(重力波、ブラックホール影など)は、マスコミ報道など通じて社会的にも大きなインパクトを与えている。
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