| 研究課題/領域番号 |
17K05449
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| 研究機関 | 東京工業大学 |
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研究代表者 |
慈道 大介 東京工業大学, 理学院, 教授 (30402811)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | ハドロン物理 / カイラル対称性 / カイラル対称性の部分的回復 / ダイクォーク / 重いハドロンの弱崩壊 / クォーク凝縮 / 励起エネルギーの可視化 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は最終年度であったために予定してた海外での国際会議における研究成果発表が、感染症の世界的大流行のため1件が中止となり1件が次年度へ延期となって、行えなかった。本研究計画を来年度まで延長し、状況が回復すれば、成果発表を行う予定である。本研究課題は、核媒質中のハドロンに対するカイラル対称性の役割を調べ、部分的回復を系統的に研究することを目的にし、核媒質中の中間子に対するカイラル有効理論を確立させることを目指す。本年度の研究実績は、核媒質中でのクォーク凝縮とπ中間子の性質、udダイクォークと反ストレンジクォークに対する対称性、Schottky anomaly を用いたハドロン励起スペクトルの解析についての研究などで進展があった。これらの業績の多くは研究協力者である大学院生との共同研究によるところが大きいことを申し述べる。
1.核媒質中でのカイラル摂動論を非対称核物質に応用しクォーク凝縮の密度依存性を計算し、核密度程度では線形密度近似がよく成り立っていることを確かめた。また、非対称核物質でのクォーク凝縮アイソスピン非対称性を求め、非対称性が小さい理由が低エネルギー定数にあることを見いだした。この成果は論文にまとめ、学術雑誌に投稿した。
2.udダイクォークと反ストレンジクォークに対する対称性に基づき、BsメソンとΛbバリオンの弱崩壊を計算した。これらの弱崩壊に対して和則が成り立つことを見いだし、様々な崩壊モードに対して、実験値が和則を満たすことが分かった。
3.Schottky anomaly を用いることで、ハドロン質量スペクトルにおける励起エネルギーを可視化することができた。その結果、メソンについては励起エネルギーに対してフレーバー依存性が小さいがバリオンについては強いフレーバー依存性があることが分かった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はいろいろと研究を進める上で制限はあったが、概ね順調に進めることができた。研究成果がまとまったものは、早急に論文にまとめ、学術雑誌に投稿する必要がある。また、研究成果の発表についても順次進めて行く必要がある。各研究テーマについてはそれぞれ順調に進めることができた。特に、Schottky anomaly を用いたハドロン励起エネルギーの可視化については、当初予定していなかったテーマではあるが、研究課題を進めて行く上で派生的に生じた成果である。核媒質中でのπ中間子の性質については、十分に研究成果が挙げられているので、論文にまとめる予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
本来は今年度で最終年度であったが、予定していた海外で行われる国際会議での研究成果発表が行えなかったので、研究期間の延長を行った。来年度は、状況が回復すればそれらの国際会議での研究成果発表を行うとともに、研究課題を進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度に予定してた成果発表が感染症の世界的大流行のため行えなかった。次年度に延長し、状況が回復すれば、予定していた研究成果発表を行う。
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