研究実績の概要 |
5次元以上のアインシュタイン理論では、漸近平坦で静的・球対称なブラックホールの周りを運動する粒子には安定な円軌道が存在しないことが知られている。 これとは対照的に、論文「“Stable bound orbits around Einstein-Gauss-Bonnet black holes”, R.Suzuki, S.Tomizawa, Physical Review D 105, 124033 (2022).」では、6次元以上9次元以下のアインシュタイン・ガウスボンネ理論の漸近平坦で静的・球対称ブラックホールの周りを運動する粒子には、安定な円軌道が存在することを示した。 論文「“Acoustic black and white holes of potential flow in a tube”,R.Tsuda, S.Tomizawa, R.Suzuki, Physical Review D 107, 104020 (2023).」では、流体ブラックホールの新たな一次元流モデルを提案した。このモデルは、重力テンシャルの差だけを利用して遷音速流を作り出すことができるため実験室で容易に作れるという利点がある。また、従来解くことが困難と考えられてきたオイラー方程式を(γ=5/3 の場合)厳密に解けるという大きな利点がある。さらに、γ≠5/3の場合は近似解を求めることができることもわかった。
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