研究課題
基盤研究(C)
本研究は、特にニュートリノ実験や原子炉のモニターを目的とした、水をベースとした液体シンチレータの開発研究である。これまでの液体シンチレータは、主に、自然や人体に有害な有機溶媒をベースとしたものであり、可燃性の物が多かった。本研究は、それらに無害な水をベースとした。まだまだ発生光量は少ないものの、検出可能な光量のシンチレータは作成できた。その他の課題としては、1、2年では大丈夫であるが、数年で劣化してしまうこともわかった。
素粒子・宇宙線実験
ニュートリノの到来方向がわかる水チェレンコフ検出器と、発生光量が多く低エネルギーニュートリノの検出が可能な液体シンチレータ検出器の長所を兼ね備えた検出器の可能性を示せた。また、これまでの液体シンチレータが用いてきた自然や人体に有害であり可燃性のある有機溶媒のかわりに、それらに無害な水をベースとした検出器の開発は、昨今の「自然に優しい」というトレンドに合致している点で社会的にも意義があると考える。