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2018 年度 実施状況報告書

天体核反応8Li(α,n)11Bの反応断面積データの検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K05472
研究機関大阪電気通信大学

研究代表者

溝井 浩  大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (30388392)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード天体核反応断面積 / 元素合成 / 宇宙核物理学
研究実績の概要

理化学研究所内に設置された、東京大学原子核科学研究センター(CNS)の不安定核ビーム生成装置(CRIB)を用いて、8Liイオンビームの照射実験を行った。実験は、2018年9月13日から26日にかけて、前半と後半の二回に分けて行われた。前半は本実験として、8Liビームを4Heターゲットに照射し、そこから放出される中性子とγ線を計測する実験を行った。後半は、検出器類の校正データ取得のための実験を行った。
8Liビームは想定通りに高強度の良質なものが生成でき、統計的には十分な測定データが得られている。しかしながら、想定外にバックグラウンドの中性子が多く、実験直後のデータの解析には困難が伴った。しかしながら、その後に解析アルゴリズムを工夫するなどして、現在のところ、実験データの解析は順調に進みつつある。本実験の解析から、当初の目的としていた、11Bの高励起状態の生成率はあまり高くないことが確認できつつある。他グループによって指摘されていた、我々の過去の実験では、11Bの高励起状態を取りこぼしていたのではないかという疑念は否定できそうである。取りこぼしていたのでなく、もともと高い励起状態はあまり生成されていないという結論が得られる可能性が高い。
解析結果を検証するためのコンピュータシミュレーションを同時に進めており、今後はシミュレーションデータの解析、校正データの解析を相補的に用いながら、本実験の解析結果の精度と信頼性を高めてく。
本研究の成果によって、天体核反応としてカギになる8Li(α,n)11B反応の断面積データの信頼性が増し、元素合成過程の解明など宇宙核物理学の発展に寄与することが期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りに、一年目に検出器の開発、二年目に実験を行えた。現在のペースでデータ解析が進めば、予定通りに三年目に研究成果を発表できる予定である。

今後の研究の推進方策

実験データは得られたが、バックグラウンドが予想以上に多く、そのデータサイズは予想以上に大きなものであった。そのため、データ解析は慎重に進める必要がある。今後は、コンピュータシミュレーションや校正データを駆使して、解析結果の信ぴょう性を担保するようなエビデンスを見出すための解析を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

データ解析の進捗が予定より遅れ、研究発表や当初予定していたデータ解析の打ち合わせのための出張が次年度に持ち越されたことによる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] INFN - Milano/Milan University/INFN - LNS(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      INFN - Milano/Milan University/INFN - LNS
    • 他の機関数
      1
  • [国際共同研究] IMP - CAS(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      IMP - CAS
  • [国際共同研究] Seoul National University/Sungkyunkwan University/Ewha Womans University(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      Seoul National University/Sungkyunkwan University/Ewha Womans University
  • [学会発表] 天体核反応8Li(α,n)11Bの反応断面積データの検証2019

    • 著者名/発表者名
      溝井浩 他
    • 学会等名
      日本物理学会

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公開日: 2019-12-27  

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