研究課題/領域番号 |
17K05472
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
溝井 浩 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (30388392)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 原子核反応 / 励起関数 / γ線検出器 / 反応断面積 / 励起状態 |
研究実績の概要 |
2018年度に、東京大学原子核科学研究センター(CNS)の不安定核ビームコース(CRIB)にて行った実験により得られた8Li(α,n)11B反応の測定データの解析をさらに進めた。本研究の目的である、11Bの高励起状態の生成確率のデータを得るために、バックグランドとの識別の精度を向上させた解析を進めた。これにより、より信頼性の高い解析結果が得られつつある。我々の過去の研究で提示した11Bの高励起状態の生成確率が、実際にはもっと大きいのではないかと、他の実験グループから指摘されていた。一連の解析により、他グループの指摘は当たらないことがほぼ確実となった。 さらに、今回の研究結果を補強するために、コンピュータによるモンテカルロ・シミュレーションを行い、解析結果と一連のシミュレーションの結果との比較から、より定量性のある結果を導く方法の検討を進めた。校正のために実測したデータをシミュレーションで再現できることが確認できている。したがって、シミュレーションが信頼に足ることが確認できたので、本測定のデータを検証するために、シミュレーション結果を利用し、最終的な結果を導くこととした。 また、最終的な結果を得るために、8Li(α,n)11B反応に詳しい海外の研究者との議論を計画した。しかしながら、COVID19の感染拡大のため、海外出張を取りやめた。 今後、別の手段にて議論を深め、11Bの高励起状態の生成確率について、最終的な結論を得ることを検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年が研究計画の最終年度であり、研究を取りまとめる予定であった。研究成果の取りまとめに必要な、海外の研究者との議論を計画していたが、COVID19のために出張が取りやめとなり、最終的な結果を取りまとめることができなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
別の方法により、研究結果のとりまとめの機会を作ることを計画している。また、国際会議などでの研究発表も困難な状況であるため、研究成果をとりまとめ、論文として成果を公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の感染拡大により、計画していた研究とりまとめのための海外出張が中止になったため、差額が発生した。 研究取りまとめのために、次年度これを使用する。
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