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2020 年度 実績報告書

直線偏光ガンマ線によるシザースモード磁気的双極子遷移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K05482
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

静間 俊行  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 上席研究員(定常) (50282299)

研究分担者 宮本 修治  兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 特任教授 (90135757)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード磁気双極子遷移強度
研究実績の概要

本研究では、四重極変形をした原子核の励起エネルギー2.5~4MeV近傍に現れるシザースモードについて、核構造的な起因を明らかにするため、Ta-181原子核の共鳴準位からの磁気双極子(M1)遷移の強度分布を決定する。Ta-181原子核に対する直線偏光ガンマ線を用いた核共鳴蛍光散乱実験データの解析から得られたスピン・パリティに関する情報と制動放射光を用いた核共鳴蛍光散乱実験から得られている遷移強度を用いて、Ta-181の励起エネルギー2.0~3.5MeV領域の全M1遷移強度をΣB(M1)=0.41(2)~0.65(3)μ_N^2と決定した。この値は、近傍の偶々核であるHf-178とHf-180から得られているΣB(M1)=2.38(9)と2.13(9)μ_N^2と比べて、5分の1程度となることがわかった。このことは、陽子数または中性子数が奇数の奇核では、偶々核と比べて全M1遷移強度が小さくなるという過去のデータと一致し、共鳴準位に強い分散が起きていると考えられる。さらに、準粒子光子模型(QPM)を用いた理論計算では、Ta-181原子核に対する励起エネルギー2.0~4.0MeVのM1遷移は、M1オペレーターの軌道成分に起因するもので、全M1遷移強度として、ΣB(M1)=1.891μ_N^2が得られている。この値は測定から得られる値と比較して、3~5倍程度である。さらに、QPMを用いた理論計算では、0.1μ_N^2以上の強度をもつM1遷移が10本予測されているが、実験ではそのような強い遷移は観測されていない。このことからも、Ta-181のような奇核では、シザースモードに起因するM1共鳴準位に対して強い分散が起き、個々の遷移強度が弱まるものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Low-lying electric and magnetic dipole strengths in Pb2072021

    • 著者名/発表者名
      Shizuma T.、Minato F.、Omer M.、Hayakawa T.、Ohgaki H.、Miyamoto S.
    • 雑誌名

      Physical Review C

      巻: 103 ページ: 024309

    • DOI

      10.1103/PhysRevC.103.024309

    • 査読あり
  • [学会発表] 核共鳴蛍光散乱を用いた181Taの共鳴準位のスピン・パリティの測定2021

    • 著者名/発表者名
      静間 俊行, M.Omer, 羽島 良一
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] 直線偏光ガンマ線を用いたTa-181の核共鳴蛍光散乱実験2020

    • 著者名/発表者名
      静間 俊行, M. Omer, 羽島 良一
    • 学会等名
      日本原子力学会秋の年会

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公開日: 2021-12-27  

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