研究課題
様々な新奇なトポロジカル物質に対してトポロジーと対称性の観点からその量子物性を明らかにした。特にワイル半金属、ライン・ノード半金属、高次トポロジカル絶縁体などの近年発見されたトポロジカル相に対してそのトポロジカルな性質、バンド構造やエッジ状態を対称性の議論と強束縛近似模型を用いて明らかにした。まず、任意のホップ数を持つ絡み合ったライン・ノードを持つ半金属を一般的に構成した。更に、交差したライン・ノードを持つ半金属に光照射した場合をフロッケ理論を用いて解析し、1より大きい運動量空間での単極子を持つワイル半金属を生成できる事を示した。また、二次や三次の分散を持つディラック半金属で磁場の向きを制御する事で、運動量空間での単極子の合成、分離を実現できる事を示した。一次元と二次元の強く相互作用しているトポロジカル超伝導体に対して厳密解を構成した。特に二次元ハニカム格子上のf波超伝導体にハバード相互作用が入った模型に対してマヨラナ粒子表示を用いる事で厳密解を構成し、ハバード相互作用によって自発的な時間反転対称性の破れが起きる事を示した。また、一次元の二量体化したp波キタエフ・トポロジカル超伝導体に対して、ジョルダン・ウィグナー変換、スピン回転、逆ジョルダン・ウィグナー変換を連続して行う事により厳密解を構成し、そのトポロジカル相図を決定した。特に相互作用に対してトポロジカル超伝導相が極めて安定である事を示した。更にbreathingカゴメ格子とbreathingパイロクロア格子で二次トポロジカル絶縁体と三次トポロジカル絶縁体が実現する事を示し、トポロジカル・コーナー状態が現れる事を明らかにした。フラストレート磁性体中でのスカーミオンのダイナミクスを大規模シミュレーションによって明らかにし、磁気メモリとして応用できる事を示した。
1: 当初の計画以上に進展している
研究計画当初に想定していなかった様々な新概念の発見により、計画以上の研究成果を得る事が出来た。
様々な高次トポロジカル絶縁体・超伝導体・半金属に対してそのトポロジカル・ヒンジ状態、トポロジカル・コーナー状態を明らかにする。また、新たな強相関トポロジカル超伝導体やキタエフ量子スピン液体に対する厳密解を構成する。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件、 査読あり 14件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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