本研究では、CeCo(In1-xZnx)5 のHc2異常をもたらす背景には、パウリ常磁性効果を通じて強い反強磁性量子臨界揺らぎが重要な役割を果たしていることを解明した。この過程で、磁場誘起量子臨界揺らぎの原因となる秩序変数や、そのIsing的磁気異方性を明らかにした。エキゾチック超伝導体のプロトタイプであるCeCoIn5でのこれらの発見は、広く強相関電子系超伝導体において、異常な超伝導状態の発現には量子臨界揺らぎの寄与が不可欠であることを示唆するものである。本研究の成果によって、さらに今後の超伝導と量子臨界揺らぎに関する包括的な研究を推進していく契機となる。
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