2サイトが強く結合したダイマーを単位とする格子模型において、ダイマー内部自由度の存在が、ダイマー間の相関と物性にどのような影響を及ぼすのかを理論的に解明する研究を行った。具体的には(1) S=1/2のスピン系および S=1のスピン系のダイマーをユニットとした三角格子モデルにおける量子揺らぎの増大に伴うネマティック相の出現、(2) 三角格子上の横磁場イジングモデル(有機ダイマー系のモデル)の量子臨界的なダイナミクスの特徴的な振る舞い、および、(3)スピンクロスオーバ錯体の2つの状態(高スピン、低スピン)と弾性相互作用を導入したモデルにおけるエンタルピー効果による2段転移、を明らかにした。
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