本研究課題は、内殻電子励起スペクトルを高精度に第一原理から計算することのできる手法の開発を目指した。本研究課題では3カ年計画で、まず既存のグリーン関数法を分子の内殻電子励起スペクトル計算に適応し、計算精度の確認を行うことから始めた。その後、さらなる計算精度の向上を目指し、本研究課題では新たに、self-consistent GW(SCGW)法を開発した。さらに、SCGW法で必要となる膨大な計算コストを処理するために、該当部分のプログラムのGPGPU化を行った。最終年度には、本プログラムを用いて実際にいくつかの分子に対して内殻電子励起スペクトルの計算を行い、一定の計算精度向上が確認できた。
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