研究課題
基盤研究(C)
直接数値計算を用いて、3次元非圧縮一様乱流の普遍構造、特に、乱流の大スケールのある種の時間不変性に起因する自由減衰乱流の減衰則、およびスカラー源の無いパッシブスカラー乱流の拡散則について調べた。大スケールにおいて、速度異成分間の相関を含んだ非等方性や鏡面非対称性が初期にあれば、十分に発達した乱流においても、大スケールの非等方性や鏡面非対称性が永続することを示した。さらに、ある種の時間不変性があるスカラー場の大スケールにおいては、その非等方性が、速度場の非等方性に隷属しないことも発見した。
数物系科学
外力の無い乱流の減衰やパッシブスカラー乱流の拡散は、基本的な乱流現象のひとつである。ある種の時間不変性がある場合に対して、非等方鏡面非対称性の一様乱流に減衰則や拡散則が一般化できたことの学術的意義は大きい。