研究課題/領域番号 |
17K05581
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
渕崎 員弘 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (10243883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高圧プレス / 6-6方式 / 放射光X線その場観察 / 液ー液転移 |
研究実績の概要 |
本研究は2019年度に終了しているが、コロナ禍に陥ったため成果公表の機会を得ることができず、期間延長している。2020年度前半は県をまたぐ移動すらできなかった。また、現時点でも渡航は困難である。本研究予算を使用して得られた成果は2020年度に公表を行ったが、それらは2019年度に予定されていた方法によるものではない。2020年9月の日本物理学会(於熊本大)は遠隔開催となったため、報告者が所有する機材以外のものは使用していない。また、同月に予定されていた高圧セミナーでの招待講演は取り止めになり、年度末に遠隔方式で実施された。即ち、2020年度に予定していた形での予算執行は行えなかった。 本研究では高圧プレスを用いた放射光X線その場観察を実験研究手段として用いた。こうした実験研究は、通常、複数名の研究者から成る実験チームで行われる。報告者自信は理論家であり、理論系研究室を主宰しているため、実験チームの構成が困難であった。そこで、大型放射光施設といった共同利用機関を利用する際に、単独で実験を行っても測定に関わる利用時間のロスを最小にするためのツールを開発してきた。特に、報告者が採用したタンデム加圧方式で実験試料を単独で、且つ容易に組み上げるツール開発に関しては、2018年度から愛媛県下の企業との共同開発にまで発展し、2020年度には同企業からツール一式が製品販売されるに至った。その際、研究現場での研究者に対する同社のご配慮で特許や意匠の登録は一切行わないことになった。この精神に則り、ツール差材や寸法などの詳細を論文として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究で得られた成果をもとに、現在、基盤研究(C)「液-液転移出現可能性に対する熱力学指標の提案」が遂行されている。2019年度までに知り得た知見のうち、未発表内容に関しては積極的に成果公表をしていく。論文や学会・国際会議だけでなく、現在、Webを利用した成果公表を行う環境を整えている。
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今後の研究の推進方策 |
学会・国際会議が現地開催になれば、本研究予算を使用して発表する予定である。また、その予算の一部を成果公表のためのWeb環境構築にも充てる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年9月に熊本大で、2021年3月につくば市で、それぞれ開催予定であった日本物理学会と量子ビームサイエンスフェスタが遠隔実施となった。申請時には、これらの学会や研究会への参加旅費を計上していたが、使用する必要がなくなった。
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