これまで、新規な量子ホロノミーは自由度の小さい量子系と、Lieb-Liniger模型と呼ばれる厳密可解な多体系を中心に調べられてきた。新奇な量子ホロノミーの存在は、熱力学的な系での断熱準静変化とミクロ量子系の断熱変化との決定的な違いの一つであり、近年の統計力学の基礎に関する研究の動向に関連した発展も期待される。また、本研究で扱かった一次元空間中で弱く相互作用するボーズ粒子系では実験的な研究との関連も期待される。実際、 dipolar Bose gas での新奇な量子ホロノミーノ実験が最近報告された (Kao et al., arXiv:2002.10475)。
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