真核細胞内では,1メートル以上の長さのDNA高分子は高密度に折り畳まれており、数μm大きさの空間の中に存在している。細胞内におけるDNAの高次構造および挙動を説明するため、人工的な実験モデルが必要とされている。本研究では、長さの異なったDNAを数μm大きさの高分子カプセルに閉じ込める方法を確立して、新しい人工細胞モデルを構築した。この人工細胞モデルを用いることにより、細胞大きさの空間に閉じ込めたDNAの物理学的特徴を明らかにし、外部刺激によるカプセル内でのDNAの高次構造変化をコントロールできることを示した。
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