要素の自己駆動とそれによる集団の組織化は、生物界ではありふれた現象である。最近、非生物の要素であっても、同様の現象が見られることが注目されている。このような物質はアクティブマターと呼ばれ、自発的に蓄積したエネルギーを変換し運動するシステムとして、また自律的に運動できるシステムとして、様々な研究がなされている。本研究は、その中でも特に複雑で生物的な挙動を示す、水面に浮かんだ有機溶媒液滴システムに対して、その駆動メカニズムを実験とシミュレーションによって解明した。本研究の成果は、生物集団の集団形成メカニズムの研究や、自発的に組み上がって作動するロボットの開発などへの応用が期待される。
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