研究実績の概要 |
地表面に沿って置いた閉曲線を通電する閉曲線電流を数値的に表し、それが引き起こす鉛直磁気ダイポールのプログラムコード化を行っているが、コード化に成功していない。先行研究によるアメリカやドイツの研究者とも議論を行ったが、特許の問題でコードの核心部分が分からず、コード化が難航している。 テクニカルな工夫として、時間刻み毎にコードをMPIで並列化することを考えているが、より高度な並列化と高速化を目指して、各スレッドに現れる大規模一次方程式を解く複雑なルーチン部分をMPIで並列化するためにNAGライブラリーコードを組み込むことを試みた。 コード化が難航しているが、完成したコードで火山地帯の電気伝導度構造を組み込んで電磁波の時間領域レスポンスを求める計画に沿って、地磁気地電流法による火山体地下の電気伝導度構造の精緻化を並行して進めた。テストフィールドとして計画している蔵王山の他、別のシミュレーションとして福島の吾妻山を想定し、吾妻山から安達太良山に渡る地殻電気伝導度構造を精緻化した。その結果、1) 吾妻山で噴気を上げている一切経山の大穴火孔直下に鉛直に続く細い火道をイメージさせる高伝導体のイメージ、2) 干渉SAR解析で求められた、深さ1.2 km, 長軸半径約12 km, 短軸半径約6 kmの低粘性楕円体領域と高電気伝導体のイメージが非常によく一致、3) 2)の高伝導体から安達太良山の箕輪山に伸びる高伝導度の火道のイメージ、をそれぞれ明らかにした。
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