一般にスラブ内地震の震源は深いため,浅い地震に比べ被害が生じることは少ない.しかしながら,スラブ内地震でも1987年千葉県東方沖地震のように犠牲者がでる場合もあり,また高周波の揺れが励起されることで木造家屋への被害が生じることもある.本研究では発生メカニズムの理解が遅れているスラブ内地震に焦点を当て研究を行った.得られた結果は,スラブ内地震はこれまで考えられてきた以上に震源パラメータ(地震の特性)が多様であり,一律的な理解では限界があることを示している.大地震の発生が危惧されている首都直下などいくつかの領域においてさらに調査を進めることで,地震発生メカニズムの理解が進むと期待される.
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