研究課題/領域番号 |
17K05628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渡邊 了 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30262497)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地震波速度 / 電気伝導度 / 岩石物性 / 水 / クラック / 流体 / 地震 |
研究成果の概要 |
封圧下での含水岩石の弾性波速度・電気伝導度同時測定,SEMによる空隙の微細構造観察を行った。圧力増加に伴いクラックはほとんど閉じるが,開口の大きな部分は閉じ残る。このような閉じ残り部分が,高圧での地震波速度,電気伝導度を支配していることを明らかにした。また,数値実験によって,25%以上の粒界で開口の大きな部分が連結していれば,流体の連結したネットワークが形成されることを示した。地殻内に存在するクラックにおいても,開口の大きな部分がチューブ状に連結しているはずである。このような空隙構造を考えれば,地殻で観測されている10%程度の地震波速度変化,4桁以上の電気伝導度変化を同時に説明できる。
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自由記述の分野 |
固体地球物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地殻内部には,さまざまなサイズのクラックが存在しており,開口もクラック内で大きく変化しているはずである。地殻内のクラックにおいても,開口の大きな部分が閉じ残っているはずである。この閉じ残りが,地震波速度や電気伝導度を支配していると考えられる。物性測定と微細構造観察を通して,地殻流体に具体的なイメージを与えたことにより,観測量から流体量を推定することが可能になった。地殻流体は,地殻の変形や地震活動に大きな影響を与えている。流体分布を具体的に推定することは,地震発生の場を理解することであり,地殻における地震活動の深い理解につながると考えている。
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