研究課題/領域番号 |
17K05635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 淳 大阪大学, 理学研究科, 助教 (00536138)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 氷天体 / 内部構造 / 進化 / 生命 / アストロバイオロジー |
研究成果の概要 |
氷天体における地下海の長期進化を説明するための数値モデルを構築した.本モデルは,天体の岩石とH2Oの質量比に応じた内部層構造と,初期温度分布(H2O殻の固液状態)および岩石核中の長寿命放射性同位体の濃集度を与えることで,46億年間の温度変化と地下海の生成・消滅を含めた厚さの変化を追跡でき,高圧氷も含めた氷天体の多様な内部構造に適用可能である.冥王星を対象とした計算では,現在の冥王星が地下海を持つためには,氷の融点粘性率が1E15 Pas以上でなくてはならないことや,初期に1質量%のアンモニアが存在する場合は,地下海の存在期間が10億年以上延びることが分かった.
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自由記述の分野 |
惑星科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海という大規模な液体水圏の有無とその進化の描像に迫ることは,「生命の起源」という究極の問題への直接的なアプローチのひとつである。特に氷天体という,地球外天体での生命発生環境の候補地としての科学的重要性は,日本惑星科学会が「太陽系における前生命環境の進化―生命圏の誕生・持続に至る条件の解明」として将来目標に掲げているなど,国内外で共通した認識にある。本課題は,太陽系の生命存在可能領域が地球近傍だけではないことを,理論的解析と実証的調査への示唆によって提示する。これは太陽系内天体における宇宙生命論のみならず,系外惑星観測も含めた宇宙の普遍的な生命居住可能性の理解に繋がり,波及効果は大きい。
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