研究課題/領域番号 |
17K05639
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
平田 成 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (80372655)
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研究分担者 |
出村 裕英 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (10360009)
北里 宏平 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (50550597)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 小惑星 / イトカワ / はやぶさ / 地理情報システム / 分光 |
研究実績の概要 |
平成29年度は,小惑星探査機はやぶさに搭載された分光カメラAMICA画像の全ピクセルについての日照条件をはじめとする観測条件のデータベース化を実施した.これは,米国Planetary Data System (PDS) にアーカイブされたAMICA画像から画素毎の較正済み輝度値を抽出し,観測波長や当該画素が観測している小惑星表面上の位置情報とともにデータベース化して,串刺し検索により,特定の地点の異なる日照条件での較正済み輝度値や,同じ観測条件での異なる地点での較正済み輝度値を抽出できるように整理するためのものである.なお,当初AMICAデータの輝度較正は本研究グループで独自に実施する計画としていたが,東京大学の研究グループがAMICAの輝度較正に成功したため.そのデータの提供を受けることとなった. これに加えて,本研究グループで開発している小惑星向け三次元地理情報システム(AiGIS)の改良を行い,画像や地図画像の形状モデルへの貼り付け機能や,複数画面での情報の比較機能の追加など,本課題の実現に必要となる機能強化を行った.前節で述べたAMICAの全ピクセルアーカイブから抽出された情報の可視化もAiGISを用いて可能となっている. 上記の過程で,研究代表者は米国Johns Hopkins UniversityのApplied Physics Laboratory(APL)を約一週間訪問し,PDSアーカイブデータの取り扱い方法や,三次元地理情報システムの機能についての議論を深めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AMICAの全ピクセルアーカイブの構築,小惑星向け三次元地理情報システムの改良といった当初計画に挙げていた課題をほぼ予定通り進展させることができている.
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画通りに研究課題を推進する予定であるが,平成30-31年度には,はやぶさの後継機である小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウに到着し,分光カメラと分光器による観測を実施する予定となっている.本研究グループは,はやぶさ2にも関わっているため,本課題の成果とはやぶさ2での成果の相互の結合が,双方の研究の成果の最大化のために重要と考えられる.
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次年度使用額が生じた理由 |
一部購入予定品などが計画よりも安価に調達できたため差額が端数として次年度使用予定となった.平成30年度に消耗品などの購入に充てる予定である.
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備考 |
開発したソフトウェアAiGIS他を一般及び研究コミュニティ向けに公開している.
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