研究課題
基盤研究(C)
木星が形成されると,その重力の影響で周辺にある微惑星の速度が上昇する。高速度となった微惑星は原始惑星系円盤内に衝撃波を発生させ,周囲の物質を加熱する。この研究では,どのようなときに微惑星が発見されている結晶質シリケイトやコンドリュールと呼ばれる隕石内の粒子が作られるための熱源となるかを軌道計算から調べた。そして現在の木星に近い条件であれば,半径が100 km 程度以上の微惑星によって,結晶質シリケイトやコンドリュールを形成できることがわかった。
惑星形成論,天体力学
太陽系形成初期に固体微粒子から惑星が形成される過程では,惑星の物理的な成長だけではなく,様々な物質科学的な進化が起きたと考えられている。しかし,天体力学的な惑星進化と物質進化の関係は,これまで統一的には理解されていなかった。本研究では微惑星の天体力学的な運動と,シリケイトの結晶化や,コンドリュール形成のダストの物理化学進化の関係の一端を明らかにした。