今後の研究の推進方策 |
今後の研究において、以下の点に焦点を絞る。 1. 平成29年度に開発した水雲推定アルゴリズムをさらに展開させ、氷雲のCODとCERの推定を可能とする。具体的 には、平成29年度に開発したアルゴリズムの枠組み内の水雲に対する放射計算用フォワードモデルの代わりに氷雲に適切な放射計算用のフォワードモデルを利用する。平成29年度に実施した衛星観測の水雲プロダクトの検証を 、検証サイトを増やして、長期間のデータの解析を行い、今後も継続する。また、スカイラジオメーターによる氷雲プロダクトと同時観測の日射・放射のデータを用いて、 衛星センサー による氷雲プロダクト(CODとCER)の検証を実施する。 2.スカイラジオメーター観測のスペクトル天頂放射信号を用いて、雲の相(水雲か氷雲)の判別できる方法を開発する。その機能は上記述べたアルゴリズムパッケージに加える。 3.上記述べた3つのチャンネル (0.87,1.02,と1.627um) のほかに可視領域におけるエアロゾル観測用チャンネル (0.34,0.38,0.4,0.5,と0.675um) における観測の データを用いて、曇天におけるエアロゾルの光学的厚さ(AOD)と雲パラメータ(CODとCER) を並行に推定できるアルゴリズムを開発する。具体的に、先ず、3つのチャンネル(0.87,1.02,と1.627um) のみを利用した雲解析アルゴリズムからCODとCERの推定を行い、それを最初の推測値 (first guess value) として扱い、可視領域における観測データを加えて、AODとそのAODの波長依存性を表すパラメータ (オングストローム指数) を推定し、同時にそのCODと CERの値も更新する。こうしたエアロゾルと雲のデータを利用し、エアロゾルが雲へ及ぼす影響を調べる。
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