現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経年変動する大気が駆動する海洋経年変動に含まれる「不確定性」を定量評価するため、本研究では、僅かに異なる初期値から、同一の大気外力を与えて海洋モデルを駆動する「経年変動アンサンブル積分」を実施する。「不確定性」の出現に重要な海洋渦と強い海流を解像可能な、水平解像度0.1°の海洋大循環モデルを、4日分ずつの相違を持つ10種類の初期値から、観測に基づく大気外力を与え50年間積分する。この10メンバーアンサンブル海洋経年変動50年積分の出力から、①海洋経年変動の不確定性の時空間分布、②不確定性の大きさと背景場(大気外力によって駆動されるアンサンブル平均場)の関係、③不確定性の発達機構、を明らかにする計画である。 平成29年度は、1965年1月1日から2015年12月31日までの大気再解析データを外力とする経年変動積分を実施した。基準となる長期経年変動積分の1964年12月12, 16, 20, 24, 28日, 1965年1月5, 9, 13, 17, 21日の場を初期値とし(1965年1月1日の場とみなし)、4日分ずつ異なる初期値を持った10メンバーのアンサンブル積分とする計画であった。実施に当り、1964年12月の各初期値の作成に困難が生じたため、上記の1965年1月の各初期値の他に、1965年1月3, 7, 11, 15, 19日の場を初期値とし、10メンバーのアンサンブル積分とした。10メンバーを並列に積分し、計算効率向上を図り、出力は月平均値のみとし、出力データの軽減を図った。1メンバーで1年の積分が残ったが、上記の積分をほぼ完遂し、初期的な解析を開始した。
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