• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

中下部地殻・上部マントルで形成された破断面の直接観察

研究課題

研究課題/領域番号 17K05679
研究機関静岡大学

研究代表者

増田 俊明  静岡大学, 防災総合センター, 客員教授 (30126164)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードマイクロブーディン構造 / 長柱状鉱物 / 破断面 / レーザー顕微鏡 / FIB-SEM / 核形成 / 結晶成長
研究実績の概要

本研究は、本来は令和3年度で終わる研究計画であったが、コロナ禍で学会や野外調査等の出張ができなくなり、不本意にも予定期間を延長したもので、本年度が最終年度に当たる。本年度は、野外調査が可能となり、奈良県の領家変成帯に調査・サンプリングに出かけることができた。広域変成岩のサンプル(泥質片岩、メタチャート)を採集し、また広域変成岩に花崗岩が貫入して形成された接触変成岩(泥質変成岩、メタチャート)も採集できた。それらのサンプル中に含まれる白雲母と黒雲母の結晶軸のプリファードオリエンテーションの計測をエックス線ゴニオメーターを利用して試みた。
本研究全体としては、(1)鉱物のプリファードオリエンテーションの形成に関するカイネティックモデルを構築することができ、その結果を実際のサンプルに当てはめる試みを開始できた。(2)ギリシャのシロス島で採集した大理石中で、マイクロブーディン構造を呈する角閃石粒子の破断面を観察することができた。破断面は一部が形成後に溶解した形状をしていた。(3)四国中央部の芋野岩体のカンラン岩中のオリビン結晶中に形成されたスピネルのマイクロブーディン構造を観察した。破断面は形成後に溶解が起こっており、破壊面は保存されていなかった。(4)北海道神居古潭変成帯中のメタチャート中のマイクロブーディン構造を呈する角閃石の破断面をFIB-SEМで観察した。破断面上に新たな角閃石が成長しており、直接破断面を観察することはできなかった。(2)~(4)の結果、直接地下深部で形成された破断面は保存されていなかったことがわかった。ターゲットとしたマイクロブーディン構造は形成された後でも高温高圧状態にあり、破断面で結晶成長や溶解が起こるような状態にさらされていたことがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 変成岩の面構造:ほぼ未開拓の大荒野2023

    • 著者名/発表者名
      増田俊明・酒井瑞帆・大森康友・楠賢司
    • 学会等名
      変成岩などシンポジウム
  • [学会発表] 盤上鉱物の携帯選択配向の変形による改変:マーチモデルを用いた2次元シミュレーション2022

    • 著者名/発表者名
      増田俊明・大森康友
    • 学会等名
      日本地質学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi