阿蘇火山は次のカルデラ噴火の準備過程が進んでいるのか,という問題設定を行い,先カルデラ期(>27万年前),カルデラ形成期(27~9万年前),後カルデラ期(<9万年前)のマグマ組成,特にメルト包有物を調べた,後カルデラ期では小規模で均質な珪長質マグマ溜りの形成を中央火口丘軽石2,3,4において確認した.しかし最も新しい中央火口丘軽石1は不均質で,その後は(<4千年)玄武岩マグマ活動が主体で,珪長質マグマの痕跡は少ない.3活動期のマグマ組成範囲に大きな違いはないが,主要なマグマが安山岩-->デイサイト-->玄武岩(完新世)と変化する点がマグマ供給系発達の明瞭な変化を反映すると考えられる.
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