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2018 年度 実施状況報告書

前弧堆積盆の累積様式から島弧前縁のひずみ履歴を復元する手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K05687
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

野田 篤  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (50357745)

研究分担者 山田 泰広  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋掘削科学研究開発センター, 研究開発センター長 (20362444)
宮川 歩夢  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ付 (50611191)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード地球科学 / 沈み込み帯 / 堆積盆 / 付加体 / アナログ実験
研究実績の概要

沈み込み帯における重要な構成要素の一つである前弧堆積盆は,島弧の隆起・削剥・気候・火成活動などの履歴を高解像度で保存するだけでなく,島弧前縁の変形履歴を反映した形状変化や埋積様式を示している.しかし,プレート境界での物質的・力学的な変動に対する前弧堆積盆の応答の詳細は良く分かっていない.本研究の目的は,プレート収束境界における物質収支が島弧前縁の様式(付加体型・非付加体型)を決めるとともに前弧堆積盆の形態にも影響を与えるとの仮定 のもとに,島弧前縁のひずみ履歴と前弧堆積盆の傾動・沈降・埋積過程との相互関係を明らかにすることである.

平成30年度は,昨年度に改造した東京大学大気海洋研究所のアナログ実験装置を用いて,基本的な前弧堆積盆を形成する実験の継続して実施した.実験の目的は,付加体とバックストップとの間に形成される前弧堆積盆における埋積様式が土砂供給量の変化にどう対応するかを調べることである.実験中に砂を供給しない場合では,バックストップの傾斜面に沿って発達するバックスラストが外縁隆起帯を形成し,その陸側に前弧堆積盆に相当する凹地が作成された.一方,実験中に砂を供給した場合では,凹地が砂によって埋積されて平坦面となり,フォアスラストの上部に外縁隆起帯が形成された.また,複数回の実験を繰り返した結果,上面に平坦面をともない前縁斜面に傾斜変換点が生じるタイプと連続した緩い前縁斜面が形成されるタイプとの2つのタイプが見られた.さらに,沈み込む砂層に間に2層の弱層を挟んだ実験や海山を模した障害物を沈み込まれる実験,バックストップ下底から土砂が流出する実験も実施することができた.本実験の結果と現世前弧堆積盆との比較を行うため,ニュージーランド沖のIODP Exp. 375航海に2018年3月から5月に参加した.調査航海で得た試料について粒度分析や古地磁気などの堆積学的な分析を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに実験ができている.

今後の研究の推進方策

次年度以降も,シート引きタイプの実験装置を用いた実験を行う.今後は,付加体の成長にともなって増加する荷重の影響を考慮した実験,付加体表層部に形成される海溝斜面堆積盆の実験などを実施していく.ニュージーランド沖の沈み込み帯についても,付加体と前弧堆積盆との相互関係について検討する.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は,人件費の一部に別予算を使用したことが原因である.次年度の研究は,当初計画通りに進める.今年度からの繰越金は,装置の改善にかかる物品費及び旅費の一部に充てる.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 前弧堆積盆の発達と沈み込み帯における物質収支との相互関係2018

    • 著者名/発表者名
      野田 篤
    • 学会等名
      日本地質学会第125年学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 砂箱を用いた前弧堆積盆の形成実験: 土砂供給量変動の影響2018

    • 著者名/発表者名
      野田 篤・高下裕章・山田泰広・宮川歩夢・芦寿一郎
    • 学会等名
      日本地質学会第125年学術大会
  • [学会発表] Sandbox analogue experiments of forearc basin formation: Influence of variable sediment supply2018

    • 著者名/発表者名
      Noda, A., Koge, H., Yamada, Y., Miyakawa, A., and Ashi, J.
    • 学会等名
      Geosciences 2018, New Zealand
    • 国際学会
  • [学会発表] Forearc basin formation and its relationship with material flux in subduction2018

    • 著者名/発表者名
      Noda., A.
    • 学会等名
      Geosciences 2018, New Zealand
    • 国際学会
  • [学会発表] Analogue experiments of forearc basin formation: Influence of sediment influx fluctuations2018

    • 著者名/発表者名
      Noda, A., Koge, H., Yamada, Y., Miyakawa, A., and Ashi, J.
    • 学会等名
      GeoMod2018
    • 国際学会
  • [学会発表] Sand sources and routing options along the Hikurangi margin: Using margins source-to-sink results from the Waipaoa sedimentary system to interpret Quaternary forearc and trench successions drilled on IODP Expeditions 372 and 3752018

    • 著者名/発表者名
      Marsaglia, K., Franco, A., Adedeji, A., and Noda, A. Browne, G. et al.
    • 学会等名
      Geosciences 2018, New Zealand
    • 国際学会
  • [学会発表] Lithostratigraphy of the Hikurangi Subduction Inputs: Results of Coring During IODP Expedition 3752018

    • 著者名/発表者名
      Underwood. M., Rabinowitz, H., Noda., A., Meneghini, F., Kutterolf, S. et al.
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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