研究課題/領域番号 |
17K05689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 聡 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60615251)
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研究分担者 |
黒田 潤一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (10435836)
朝比奈 健太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (40728276)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 古生代 / 中生代 / 大量絶滅 / 海洋無酸素 / 高一次生産 / 火山活動 / オスミウム同位体比 / 化石マレイミド |
研究成果の概要 |
本研究計画は、約2億5千万年前の史上最大の大量絶滅期に海洋で起きた一次生産変化と無酸素化が、それらの有力な根本要因である大規模火山活動の活発化とどのような前後関係・同時性をもつか調べるように取り組んだ。そのために、絶滅イベント時の深海堆積岩の調査収集と、採取試料の地球化学的分析(有機分子、オスミウム同位体、水銀濃度、酸化還元鋭敏元素)を行った。その結果、遠洋深海の層序の中にオスミウム同位体比の低い値へシフトと水銀濃度のピークが示す火山活動と火山岩風化の促進と解釈できるトレンドが得られた。この傾向と同時に海洋の貧酸素化が起こり、バクテリオクロロフィルのバイオマスの増加がやや遅れて見られる。
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自由記述の分野 |
地球科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は地球史上の環境イベントの要因・メカニズムの理解への貢献である。本研究は、大量絶滅の海洋環境変化が実際に火山活動のシグナルと合うことを実証的に示した。また、研究活動で明らかになったこの課題に対する技術的諸問題を公表して議論することで、さらなる地球環境史研究の活発化が見込まれる。 社会的意義は、地球環境の未来を見通す上での知識の蓄積である。知識というのは、多量の温室効果ガスが大規模火山活動によって放出された2億5千万年前の海洋がその後広く無酸素化しそのまま維持されていたという事実である。これを基に、人類個人の時間スケールよりはるかに大きな時間で環境が変化しうることを意識して頂きたい。
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