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2019 年度 実績報告書

若いスラブの沈み込み火成活動とアダカイト質マグマ発生の限界

研究課題

研究課題/領域番号 17K05700
研究機関山形大学

研究代表者

加々島 慎一  山形大学, 理学部, 准教授 (70361243)

研究分担者 高橋 俊郎  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20392946)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードlow SrI S-type granite / adakitic rock
研究実績の概要

北部パタゴニア地方における中新世花崗岩の現地調査は,平成29年12月及び平成31年3月の2回,それぞれ2週間の行程(現地調査は5日間ずつ)で実施,岩石試料を日本へ移送した.令和元年度は,前年度末(3月末)到着の岩石試料(20資料40kg)を用いて,岩石薄片作製,顕微鏡観察,岩石記載,全岩化学分析等を進めた.前年度までのデータと合わせ,本研究地域に分布するPuerto Cisnes Granite (PCG), Queulat Diorite and Tonalite (QDT)の花崗岩類の多様性について議論を進めた.
Sr・Nd同位体比初生値は,SrI=0.70351~0.70412, NdI=0.51264~0.51 287と, 研究地域の花崗岩類のSrI, NdIの変化幅は小さい.一方,変堆積岩のSrIは他の岩体よりやや高い0.70525を示す.QDTとPCGの地球化学的特徴から,QDT中のmafic rockを起源物質としてモード溶融をしたモデル計算を行い,斜長石:角閃石:単斜輝石=5:4:1で約30%溶融させることでトーナル岩質マグマが生成されることが示された.また,PCG岩体の成因は,先行貫入している周辺岩体の中で比較的SiO2量が多いトーナル岩を親マグマと仮定し,SiO2量が最も高いS-type like rock(Kfs-bearing) を娘マグマとし,マスバランス計算によって得られた分別鉱物の割合を求め,レイリー分別モデルを用いたマグマの結晶分化の検討をしたほか,変堆積岩の混染によるAFCモデルでの検討を行った.その結果,,変堆積岩を約20%同化させ,斜長石:角閃石:黒雲母:ジルコン=53.41:41.90:4.47:0.13 の分別鉱物の割合で約40%分別することで,S-type like rockがトーナル岩よりもやや高いSrIを持つことが説明できた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] チリ・パタゴニア地方,アイセン州北部地域における花崗岩質岩の多様性2019

    • 著者名/発表者名
      加々島慎一・三浦大和・高橋俊郎
    • 学会等名
      日本地質学会第126年学術大会(山口大)
  • [学会発表] チリ・パタゴニア地方北部に分布する中新世花崗岩類の地球化学的特徴2019

    • 著者名/発表者名
      三浦大和・加々島慎一・高橋俊郎・野原里華子
    • 学会等名
      日本地質学会第126年学術大会(山口大)
  • [学会発表] ノースパタゴニアに産する花崗岩類の多様性2019

    • 著者名/発表者名
      三浦大和・加々島慎一・高橋俊郎・野原里華子
    • 学会等名
      日本鉱物科学会2019年年会(九州大)

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公開日: 2021-01-27  

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