研究課題/領域番号 |
17K05711
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
河野 元治 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (80224814)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アミノ酸 / アモルファスシリカ / 溶解実験 / 溶解速度 |
研究実績の概要 |
地球表層で進行している微生物による珪酸塩鉱物の溶解に及ぼす影響評価とそのメカニズムを明らかにすることを目的として、アミノ酸を含む溶液中でのアモルファスシリカの溶解実験を行った。実験には、所定の粒径に調整した市販試薬のアモルファスシリカ、アミノ酸は酸性アミノ酸(アスパラギン酸、システイン、アスパラギン)、中性アミノ酸(セリン、トリプトファン、アラニン)、塩基性アミノ酸(ヒスチジン、リシン、アルギニン)を使用した。溶解実験はアミノ酸を含まない無機反応系とアミノ酸を含むアミノ酸系の2つを設定し、pH4、5、6でNaClをバックグラウンドとするフロースルー方式を採用した。その結果、無機反応系では溶液のpH低下に伴う溶解速度の著しい減少とNaCl濃度上昇(0.1、1.0、10.0mM)に伴う溶解速度の増大が確認された。アミノ酸系では、各pH条件での酸性アミノ酸(アスパラギン酸、システイン、アスパラギン)、中性アミノ酸(セリン、トリプトファン、アラニン)、塩基性アミノ酸(ヒスチジン、リシン、アルギニン)について、1.0mM NaCl濃度条件での溶解速度を算出することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アモルファスシリカの溶解実験について、当初予定していた無機反応系とアミノ酸系での実験をすべて完了して、溶解速度に関するデータを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
アミノ酸によるアモルファスシリカの溶解促進機構の本質を理解するためには素反応レベルの解析が不可欠である。そのためには、アモルファスシリカ表面への各アミノ酸の吸着量と吸着反応機構の解明がきわめてが重要となる。そこで、平成30年度の研究ではアモルファスシリカへの各アミノ酸(酸性アミノ酸:アスパラギン酸、システイン、アスパラギン、中性アミノ酸:セリン、トリプトファン、アラニン、塩基性アミノ酸:ヒスチジン、リシン、アルギニン)の吸着実験を行う。
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