研究成果の概要 |
高強度極端紫外(EUV)光を用いたアブレーションによる成膜を行い、従来光との比較を行うことでEUV光成膜の可能性を示した。産業化に有用なコンパクトEUV光源を改良することでEUV光エネルギー5-8 mJ、デブリフリーの照射システムを構築した。Si, SiC, AlNをそれぞれターゲットとしてAl2O3基板上に成膜をし、同条件でのレーザー照射との比較をした。膜質分析を行い、EUV光では熱的影響を抑えながらアブレーションおよび成膜ができること、薄膜として十分な50-60 nmの膜厚生成が可能であることを実験的に示した。また低強度EUV光を薄膜に照射することで膜粒子の焼結による結晶化を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年パワーデバイスなどにワイドバンドギャップ(WBG)材料や、誘電体の薄膜の利用が着目されている。一方波長10-20 nmの極端紫外(EUV)光は光子エネルギーの高さと材料への吸収率の高さから、このような新規材料の加工へ応用が期待される光である。本研究では高強度パルスEUV光を用いた固体材料のアブレーションによる成膜に取り組んだ。EUV光により成膜したSi, SiC, AlNの薄膜は、従来光と比較してターゲット材や薄膜粒子への熱影響が抑えられることを示した。更にEUV焼結による膜の結晶化にも成功し、EUV光の成膜技術応用への可能性を示した。
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