今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、今年度反応のシミュレーションに成功した、ゲルマノンの反応、SN2反応、E1cB的反応およびE2反応について、反応を推進している動的因子の手掛かりを解析する。当初予定していたWilkinson錯体触媒反応については、我々は既に量子化学計算による反応機構解析に関する下記の論文1)を報告しており、また、ONIOM-MD計算を行うための準備計算も終了しているが、その反応の性格上、動的因子の解析はより単純な有機反応をまず優先的に行うべきであるとの判断から、Wilkinson錯体触媒反応を行わず、有機反応にE2反応を追加して解析を行う。
1)T. Matsubara, R. Takahashi, and S. Asai, “ONIOM Study of the Mechanism of Olefin Hydrogenation by the Wilkinson’s Catalyst: Reaction Paths and Energy Surfaces of Trans and Cis Form”, Bull. Chem. Soc. Jpn., 86, 243-254 (2013).
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