研究課題/領域番号 |
17K05767
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山根 宏之 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 研究員 (50402459)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 有機半導体 / バンド構造 / 分子間相互作用 / 電荷輸送 / 角度分解光電子分光 |
研究成果の概要 |
様々な高秩序分子性薄膜を作製し、角度分解光電子分光(ARPES)測定を行うことで、分子性界面における構造と電子状態の相関を明らかにした。これにより、(1)2次元有機-金属ネットワークにおける非局在π-d混成バンドの形成、(2)長距離分子間相互作用の実測、(3)有機/金属界面での近藤共鳴などの新たな知見を得た。さらに、広範囲に放出された光電子強度の空間分布を高効率かつ高分解能で計測することができる新しいARPES測定法(光電子受容角可変分析器:ACT)を開発し、その性能実証を行った。
|
自由記述の分野 |
物理化学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機半導体の分野では、分子間バンド分散を決定すること自体が困難な主題である。申請者は試料作製と分光測定の両面を独自の方法で高度化することで、従来は困難を極めた分子間バンド分散の系統的研究を実現した。これにより、分子系に特有の様々な非本質的現象の中に埋もれていた新奇かつ重要な電子物性に関する知見を得た。本研究成果は、有機半導体の本質の解明と高機能化に貢献すると共に、実験データ不足のため最適な近似レベルが確立されているとは言い難い電子状態計算などの他分野に対する指導原理をも提供でき、多方面の分野への波及効果を期待している。
|