研究成果の概要 |
アルケンは生理活性物質の合成に用いられる重要な化合物群である。アルケンにはシスとトランスの2つの異性体が存在し、異性体により性質も異なり、分離も困難であるため、シスとトランスを作り分ける方法の開発が必要である。本研究では新しいヘテロアリールスルホン試薬の開発を行い、それらとアルデヒドとの反応により種々のアルケンを合成した。その結果、シス-1,3-ジエン、トランス-1,3-ジエン、トランス-2置換アルケン、シス-3置換アルケン、トランス-α,β-不飽和アルデヒドの選択的な合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルケンは生理活性物質に含まれ、医薬品などの合成中間体にもなる化合物である。アルケンには2つの異性体が存在し、それぞれ機能が異なるため、立体選択的な合成法の開発が必要である。本研究において、E-アルケン、Z,E-ジエン、E,E-ジエン、E-α,β-不飽和アルデヒド、Z-三置換アルケンの合成法の開発に成功した。これら方法は高い選択性、高収率を与えるだけでなく、反応操作が容易で、安価な原料から合成でき、医薬品などの合成に有用である。
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