近年代表者らは、五員環構造のアレン化合物でありながら安定に合成・単離が可能な分子である有機ジルコニウム化合物を見出した。これらは低原子価のジルコニウム錯体に共役エンイン類が配位することにより1-ジルコナシクロペンタ-2,3-ジエン構造を形成する。本研究では、この特異な構造を有する化合物群についてその性質・反応性を検討した。高い歪みを持つアレン中央の四級炭素がカルベン性を有することを期待し、他金属原子への配位を試みた。また不飽和炭化水素部位の反応性を検討したところ種々求核付加反応へ適用できることを見出した。イソシアン酸エステルとの反応ではアレン部位をもつアミドを合成することに成功した。
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