本研究は、セレノシステインの有機触媒としての機能開拓を行うことを目的とし、様々なセレノシステイン誘導体の化学合成を行った。検討の結果、天然アミノ酸のセリンを出発原料としたセレノシステイン誘導体の簡便かつ効率的な製造法を確立した。また、得られたセレノシステイン誘導体を用いて、新規な有機触媒反応の開拓、セレン酵素の活性中心モデル分子の創製、セレノグルタチオンの簡便化学合成法の確立、インスリンのセレンアナローグの合成、分子内ネイティブケミカルライゲーション法を応用した環状セレノペプチド合成法の開発などの研究成果が得られらた。
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