元素の中で高い超伝導転移温度を示すアルカリ土類金属について、超伝導転移温度(Tc)と結晶構造の関係を明らかにすることを目的とした。ストロンチウム(Sr)に着目し詳細な温度-圧力相図を作成した。これまでにSrで報告されていたものよりも高いTcを示す新しい高圧相(Sr-VI)の存在を見出した。この高圧相は100 K以下の低温で加圧することでのみ出現する。加えてSr-VI相の高圧相としてhcp構造をもつ新たなる結晶相(Sr-VII)の存在と、安定領域について明らかにした。以上のことは元素で最も高い超伝導転移温度をもつカルシウムにおいても更に高いTcをもつ低温高圧相の存在を示唆するものである。
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