蒸気が有害で可燃性の有機溶媒の代わりに安全な水を溶媒とする有機化合物の合成のための、金属を含有する錯体触媒の開発を行った。水中で用いる触媒は、水に溶ける必要があるので、水溶性の高い糖部位を導入した。触媒として一般的に用いられるパラジウム錯体の他にニッケルやロジウムを用いた錯体の合成も行いその触媒能を調査したところ、錯体は炭素-硫黄結合生成反応には適用できなかったが、水中での炭素-炭素結合生成反応に利用できることを明らかにした。また、硫黄を含有する多核錯体も合成し、電気化学的測定によりこれらが炭素-硫黄結合反応に利用できる可能性を示した。
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