本研究ではトリスピラゾリルボレート配位子を用いて、コバルト(II)中心に種々チオラト配位子を結合させた標的錯体を合成し、その硫黄酸化反応について検討した。各標的錯体はニトラト錯体に金属チオレートを反応させること等で合成し、得られた錯体は各種スペクトル測定やX線構造解析により同定した。o-アミノチオフェノラトを有する錯体のアセトニトリル溶液に酸素を反応させると硫黄原子が酸化され、二核スルファナト架橋錯体が生成することが明らかになった。p-置換チオフェノラトを有する錯体でも酸素と反応すると硫黄酸化が進行した。反応はコバルト(II)上で酸素活性化が起こり、硫黄酸化が進行することが示唆された。
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