研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エレクトロクロミック素子に用いられる材料のほとんどはポリマー構造のものが多く報告されており,それらは剛直で加工性等に乏しい。その点,流動性と秩序性を併せ持つ液晶材料は,均一な薄膜形成ができる点では優位性を持つ。本研究で提案している分子構造のものは電子アクセプター部位とドナー部位に加え,電解質部位をあわせ持つため電解質なしでのエレクトロクロミック素子の形成と言う点では独創的である。これらのことは,エレクトロクロミック素子の観点から見れば今まで白黒の表示であったものが,フルカラー電子ペーパーへの期待,学術的には液晶相におけるラジカル種やイオン種の安定性について議論できる。
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