研究課題/領域番号 |
17K05835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物性化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中田 聡 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (50217741)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 自己組織化 / 自己駆動体 / 非線形 / 非平衡 / 振動 / 分岐 / パターン形成 / 表面張力 |
研究成果の概要 |
本研究では、あたかも生き物のように振る舞う自己駆動体を構築することを研究目的とした。自己駆動体は微小空間中のターゲット部位に、それ自身又は物質を自発的に移動し、欠陥検出から修復まで行うことができれば、ドラッグデリバリーのように最小の薬で必要な個所を治療することができる。ところがこれまでの自己駆動体は、単指向の運動やランダム運動、又は外力で強制的に動かされる自律性の低いものばかりであった。そこで自己駆動体の自律性を高めるために、自己駆動体に非線形科学を導入した。具体的には、両親媒性分子を用いて運動を制御するシステムの構築と化学反応とカップルして特徴的に運動する自己駆動体の構築を行った。
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自由記述の分野 |
非平衡系の界面化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自己駆動体は、手の届かない微小な空間にある欠陥を検知し、修復することを目的として研究が行われてきた。例えばドラッグデリバリーでは、局所的な欠陥のみに薬を投与すればよいので、無駄な薬が減り、患者の負担を軽減できる利点がある。このような駆動体は、現実の世界ではバクテリアが該当するので、バクテリアをまねた人工の自己駆動体を構築すればよい。しかしながら従来の自己駆動体は、外乱によるランダム運動や初期条件で運動方向が決まる、単指向運動しか発現しなかった。これは人工の自己駆動体の自律性が低いからである。そこで非線形科学を導入して自己駆動体を構築したところ、分子構造に依存した多様な運動様相の発現に成功した。
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